<語句解説>


 摩訶・・・偉大な
 般若・・・智慧 【仏法・真実に関する智慧(知恵と区別するため般若の智慧)と解釈したい】
 般若波羅蜜多・・・「智慧の完成」 つまり、(悟りを完成し)彼岸へ至ること
 心・・・・・(心の意味ではなく) 仏教の心髄、中心
 経・・・・・お釈迦様が説いた教えを記したもの
 観自在菩薩・・・観音さまのこと、正しくは、観世音菩薩
菩薩とは、ボーディーサットバというサンスクリット語の音を漢語にしたもの。自ら悟りを求めて精進し、慈悲の心をもって、衆生を救済する求道者のこと。観音さまの慈悲行を強調するときは観世音、智慧を強調するときは観自在と区別されている。観世音のほうがよく知られているがこれはやはり観音さまは慈悲のイメージが強いためである。
 行・・・修行、実践すること
 照見・・・悟る、はっきりと認識する
 五蘊・・・色(物質的現象、肉体)、受(感覚)、想(知覚)、行(意志)、識(認識) 「蘊」は集まり、要素という意味
 空・・・・・実体のない、自性が無い(それ自身の存在が無い)  『空』を参照!
 不異(ことならず)・・・異なるという否定の否定(二重否定)で同じという意味です。
 苦厄・・・苦しみと災厄
 舎利子・・・釈迦の十大弟子の一人、智慧第一と呼ばれた(舎利弗ともいう)
         般若心経では、お釈迦様が舎利弗に空を説く形で進展していく
■ 受・想・行・識・・・心の働き
 亦復如是・・・「亦」は、「また」ということ。(受想行識)それもまた同じだということ。
照見五蘊皆空で、五蘊は空なりといったので、ここではその一つ一つについて「色は空なり」「受は空なり」「想は空なり」と言い直しているのだが、それを全部言うのは面倒なので「受想行識もまたかくの如し」とまとめている。  
 諸法・・・あらゆる存在・すべてのもの
 空中・・・空の世界という意味
 眼・耳・鼻・舌・身・意・・・眼、耳、鼻、舌、身体、意識 (感覚器官)総称して、六根という。
 色声香味触法・・・六根が認識する対象のこと。六境という。触は触覚、法はその意識の対象をいう。
 乃至・・・省略すること  仏典の決まり文句で全部を並べるとくどいようなときに使われる。
 限界乃至意識界・・・根と境で識(界)を生ずる。眼根でとらえた色境で眼識(眼界)を生ずる。六根→六識→六界となり、六根と六識を合わせて十二処、さらに六界を合わせて十八界という。ここでは、眼界と意識界が訳され、耳界、鼻界、舌界、身界は省略されている。
 無明・・・無知、愚かさ
 ここでは、十二支縁起説について語っている。【無明→行→識→名色→六入→触→受→愛→取→有→生→死】 これは[無明があるとき行があり、行があるとき識があり・・・]と進んでいきます。最後は[生があるとき老死がある]となります。また、逆に読んでいく場合には、[無明が尽きると行が尽き、行が尽きると識が尽きる・・・生が尽きると死が尽きる]となります。これは簡単にいうと苦が生まれてくるプロセスを表わしています。無明、老死以外は、ここでも乃至で省略されています。
 尽・・・つきる、すっかりなくなる
 苦集滅道・・・仏教では四つの真理として、四諦(四聖諦)という。
【苦諦】・・・人生は、思い通りにならない苦であるという真理。【集諦】・・・苦の原因は欲望を起こす煩悩であるという真理。【滅諦】・・・苦の原因(煩悩)を滅すれば心の平安が得られるという真理。【道諦】・・・苦を滅する実践として八正道があるという真理。
  人間の苦しみの根源を追究した釈迦は、四諦や十二支縁起として因果関係を確立しました。また、六根などの感覚器官や外界の認識においての関係性も説きました。しかし、般若心経では、釈迦の説いた、十二処、十八界、四諦や十二支縁起までも空である言います。これは、それらを否定しているのではなく(虚無でない)、これらの「十二支縁起」「四諦」は空として働いている。空なる「十二支縁起」「四諦」があると解釈してみてはどうかと思います。
 圭礙・・・とらわれ、さまたげ、心を束縛するもの
 無有・・・”あることなし”、つまり、「ない」
 遠離・・・遠ざけること
 顛倒・・・逆さまになること、引っくり返ること
 夢想・・・真実でない夢のようなことを思う=妄想に同じ
 究章す・・・究極に至る
 三世・・・過去・現在・未来
 阿耨多羅藐三菩提・・・この上ない真実なる完全な悟り
 呪・・・真言、呪文
 無等等・・・「等しいものがまったくない」 「いちばん優れた」
 羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提娑婆訶
 これは、サンスクリット語の言語 [ギャーティー ギャ―ティー ハラギャーティー ハラソーギャーティー ボージソワカ] にそのまま漢字をあてはめて呪文としたのです。ですから、翻訳はされませんでした。各自で般若心経の締め括りとしてふさわしい訳にしてみてはと思います。